[バラエティ]コワイガク(本当は怖い家庭の医学のウチ的略称)



・プレイバックto補足コワイガク

参考資料…小学館「ホームメディカ 家庭医学館」
     時事通信社「家庭の医学」

・4月19日放送
本当は怖い胸の痛み―――異型狭心症
そもそも狭心症とは、冠動脈(または冠状動脈)が狭窄(狭くなること)を起こしている状態のことを差す。その原因は心筋虚血(心筋に流れる血液量が必要量に達しなくなり、様々の異常を来たす状態。この総称を云う)なので、胸部に症状が出ることが多いが、必ずしも胸部ではない場所にも症状が出ることがある。従って、胸部の症状ではないからといって、必ずしも狭心症ではないとは云えないのである。また、症状が出たときの状況や回数などは、
狭心症の診断だけでなく、不安定狭心症心筋梗塞の前触れとして出現するものを云う)かどうかの手がかりにもなる。
一方、異型狭心症は、何らかの原因で心臓の血管自体が異常をきたし極度に縮んでしまうことで、血流を止めてしまう病。つまり、異型狭心症は血液に異常がなくても起きてしまう狭心症なのである。
この『異型狭心症』によって突然死を遂げた患者は、【タイプA性格】だとされている。


今回のケースにおける発病までの経緯
|ストレスと極度の疲労により、心臓の血管は致命的な異常をきたす
|ストレスによって異常をきたしていた心臓の冠動脈は、過剰に縮む
|心臓の筋肉に血液が届かず、酸素不足に陥るが、冠動脈は数分で元に戻る
|症状は次第に悪化
|極度の酸素不足に陥り、異常な動きが生じてしまう心室細動が発生
↓突然死を遂げる


何故、明け方の時間だけ、胸の痛みが襲ったのか?実は異型狭心症の発作は、自律神経の一つ、副交感神経が活発となるリラックスした状態の時に発症する。これは身体も精神も、最も寛いでいる明け方の時間帯。だからこそ、日中にとった心電図では発見することが難しいのである。異型狭心症は、日本人に多く見られる狭心症と言われている。それはタイプAの性格が日本人に多いため。時間や仕事に追われ、働きすぎてストレスを蓄積。そんな人が異型狭心症を発症しているのである。


【タイプA性格(もしくはA型性格)】
以下の言動を取る人をタイプA性格と云い、高血圧のみならず心筋梗塞などの虚血性疾患が起きやすいとされている。

1:怒りっぽい
2:いつも、人より一歩先んじないと気が済まない
3:イライラする時に、貧乏ゆすりや机で指を叩いたりする
4:自分が忙しいことを自慢する
5:仕事が好きで、終日仕事・仕事で過ごす
6:時間に追われていることを自慢する
7:家庭よりも、仕事を優先する
8:周囲のやることが遅いとイライラする
9:食べるのが速い
10:一度にいくつかの仕事をこなそうとする
11:挑戦的な言動を取ることが多い

簡単に言えば、せっかち・仕事熱心・忙しがり屋な人がAタイプ型といえる。逆に、マイペース・のんびり屋な人がタイプB型といい、高血圧・虚血性疾患が起きる危険性はタイプA型より低いものである。

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本当は怖い口内炎―――尋常性天疱瘡
天疱瘡とは、代表的な自己免疫性の水疱瘡である。健康な皮膚に、突然何のきっかけもないのに水脹れや爛れが沢山出来る病気で、多くの種類がある。天疱瘡には、尋常性天疱瘡の他にもう一つ【落葉状天疱瘡】というのがあり、尋常性と落葉状、この2つに大別されている。


今回のケースにおける発病までの経緯
口内炎を発症も、数日で治まる
|口から全身へ免疫機能の異常が広がる
|食道の粘膜は病に侵され、ただれる(胸焼け)
|ただれた食道の粘膜はすべて剥れてしまい、口から吐いてしまう
|免疫機能の異常はついに全身の皮膚に襲いかかる(首や背中の爛れ)
↓尋常性天疱瘡と診断、入院。免疫異常を抑える処置と医師たちの懸命な治療により退院


なぜ免疫機能が異常を起こすのか、その原因は未だ判明していないが、現在、患者数は約4000人。40代から50代の発症が一番多い病気である。尋常性天疱瘡は、発見が遅れると10%の人が感染症で命を落としてしまう恐ろしい病。だからこそ、最初の症状である口内炎の見極めが大切なのである。


【落葉状天疱瘡(らくようじょう・てんぼうそう)】
口腔内を除く身体全体に小さな水脹れが出来るもの。水脹れがすぐに破れ、乾燥して剥がれ落ちるので、この名がある。通常、落葉状天疱瘡より尋常性天疱瘡の方が重症で、かつては致死的だったが、今は治療法の確立により治るようになっている。

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ネクストカルテ―――「胸焼け」「息切れ」

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