コワイガク(本当は怖い家庭の医学のウチ的略称)


・プレイバックto補足コワイガク


・1月18日放送
「本当は怖い朝の頭痛」―――腎血管性高血圧
患者が脳出血で倒れた原因―――それは腎臓に隠されていた。
腎血管性高血圧とは腎動脈の狭窄(狭くなること)による高血圧を差し、腎動脈の本幹や枝分かれした主要な動脈―――これらの血管の内径が小さくなると腎臓の血圧が低下、血圧を上昇させる「レニン」という物質が分泌される。発病の原因は、
・腎実質の病変(各種腎炎・慢性腎盂腎炎の他に、先天的な発育不全など)
・腎動脈の狭窄(線維筋性異形成など)
・腎臓周囲の病気(腎周囲の腫瘍などによる圧迫)
などが挙げられる。

今回のケースにおける発病までの経緯
|腎動脈の狭窄によりレニンが分泌、血圧が上昇する
|異常な高血圧により、起床時に頭痛を発症。更に立ち眩みを起こす
|副腎からカリウムが排出される(腕に力が入らない)
|目の奥にある毛細血管が高い血圧に耐えきれず出血。眼球が異常をきたす(目のかすみ)
|高血圧のため、患者の脳の血管がついに破裂
脳出血を発病。治療により一命を取り留めるが、現在リハビリ中

高血圧といえば中高年のものという固定観念は大きな落とし穴。20代、30代の若い女性でも、今回のケースのように腎動脈の異常から高血圧となり、最悪の場合、死に至ることもあるのである。


「本当は怖い肌の赤み」―――有棘細胞癌
皮膚癌の一種である有棘細胞癌。色々な前がん症から生じることが知られており、例として、
・子供の頃に酷い火傷を負う
・怪我の傷跡
・治療のために受けた放射線による皮膚炎
等から発症する。暗紅色の堅い結節や潰瘍が出来、表面に汚いかさぶたがついて悪臭がすることがあるという。
患者がこの癌を患った原因は、炬燵の間違った使い方にあった。

今回のケースにおける発病までの経緯
|長時間もの間、姿勢を変えずに炬燵に当たる
|直接素肌に熱が伝わる→脛の部分に集中的に熱を浴びる
|温められ続け拡張した血管が皮膚の表面から透けて見える(肌の赤み)
|20年以上もの間、冬がくる度に、同じ箇所に熱での刺激を繰り返す
|慢性的な刺激によって表皮の細胞の中にある遺伝子が繰り返し傷つく
|傷ついた遺伝子によって細胞が癌化
|増殖した癌細胞がついに皮膚の表面にまで達し、更に血管が通る真皮にまで及ぶ
|単なるひっかき傷によるものと思い込み、そのまま放置
|1年後。増殖をとめることのない癌細胞は、ついに皮膚のすぐ下の骨にまで到達
↓医師の診断により、右足切断を余儀なくされる

有棘細胞癌の悪性度は、基底細胞癌(最も頻度の高い皮膚癌。転移することは殆どないが、局所での増殖力が強く、筋肉や骨が抉り取られる可能性がある)とメラノーマの中間ほど。
今回のように暖房機具から癌を発症する例は減ってはいるものの、有棘細胞癌の患者数は年々増加している。その主な原因は紫外線。この場合も同じ箇所を長時間刺激し続けることが要因となっているのである・・・。


ネクストカルテ―――「本当は怖い風呂上りの目眩」「本当は怖い海外旅行の疲れ」
旅行先で気をつける病気SPです。

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