コワイガク(本当は怖い家庭の医学のウチ的略称)


・プレイバックto補足コワイガク

今回は、肩凝りと思ったら重病・・・に至ったケースを取り上げます。

「(7月6日放送)本当は怖い肩凝り」―――肺癌
肺癌による死亡率は男女共に増加傾向にあり、男性では胃癌・肝臓癌を抜いて第一位である。
肺に出来た癌、気管支に出来た癌(気管支癌)を総称して肺癌と呼ぶこともあり、どんどん増加しリンパ節・脳・骨に転移することもある。肺癌は癌が出来た部位により中心型と末梢型(肺の奥に出来る癌)に分けられ、中心型は肺の入口に出来、煙草の影響を受けやすい。
今回のケースでも、長年にわたる喫煙が肺癌による死亡の原因である。

今回のケースにおける発症までの経緯
|右肺の上部に癌が出来る
|大きくなった肺がんが右肩に近い神経や骨を圧迫(肩凝りや痛み)
|成長した肺がんが喉の横の声帯の神経を圧迫(声がかすれる)
|右肺にできた癌が、右側の汗や瞼の動きをコントロールする神経に影響を与える
|癌の膨張にまわりの毛細血管が耐えきれなくなり、ついに切断、出血(高熱・血痰)
↓肺癌により死去

肺癌は、通常のレントゲン検査では患部が肋骨に隠れてしまったり、心臓の陰になったりと病巣の確認が難しく、さらに進行するまでほとんど症状が出ないのも肺がんの特徴。つまり最初から肺癌だと疑い、詳しい検査をしなければ発見しづらい、というのが現状なのである。

日本では、肺癌による死亡率が年々増加しているが、禁煙政策を取っている国では死亡率が低下している。近年、女性の喫煙が多くなっているため、女性の肺癌死亡率が上昇している。


「(4月20日放送)本当は怖い肩凝り」―――急性骨髄性白血病
そもそも人間の血液は、骨の中の骨髄という部分で作られている。骨髄にある造血細胞が赤血球、白血球、血小板という3種類の血球を作りだす。白血病は、この造血細胞が異常をきたす病気。白血球細胞がどの血液細胞に似ているかで白血病は骨髄性のものとリンパ性のものに分けられ、その性質から慢性のものと急性のものに分けられるという。

今回のケースにおける発症までの経緯
|異常な白血球が大量に造られ、その分、正常な赤血球や血小板が減少(肩凝り)
|肩に触るだけで痛む、肩から背中まで痛みが広がる
|微熱が出たり、突然の高熱が出る
|骨が軋むような痛み
|足に紫色の斑点が出、ついには鼻血
急性骨髄性白血病と診断、現在治療中

アンディ・フグ氏(格闘家)が急逝したその原因も、この病気。白血病の治療で最も重要なのは早期発見。肩こりや熱などのサインを見逃さなければ、完治する可能性は高くなるのである。


・11月30日放送
「本当は怖い風邪」―――慢性副鼻腔炎
患者の右目が失明に至った原因は眼窩膿瘍(眼球や視神経などが通っている「眼窩」というくぼみに膿がたまり、炎症を起こす病)―――その誘因となったのが、慢性副鼻腔炎だった。
副鼻腔炎とは、鼻腔の周りにある副鼻腔の炎症を差す。副鼻腔は空洞になっているため膿が溜まりやすく、「蓄膿症」とも云われている。しかし、必ずしも膿が溜まるとは限らないので、「蓄膿症」という名前は使われなくなってきている。
この病気は鼻腔の炎症と同様、急性のものと慢性のものがあり、今回のケースのように眼窩膿瘍で失明に至るのは非常に稀。

今回のケースにおける発症までの経緯
|風邪を引く
|風邪のウィルスが副鼻腔の奥にまで入り込み、そこでの炎症が膿を発生させる
|3ヶ月も鼻づまりや黄色い鼻水が続く
|副鼻腔に大量に発生した膿の臭いが口を伝わって漏れ出る(口臭)
|2度目の風邪
|副鼻腔の隙間を埋め尽くしていった大量の膿が、隣り合った眼窩へと流れ込む
|視神経が激しい炎症を起こす(右目の激痛)
↓眼窩膿瘍を誘発、右目を失明

鼻づまりや黄色い鼻水をたいしたことがないと高を括るのは禁物である。


「本当は怖い痔」―――直腸癌
消化管のうち、小腸から続いた盲腸から肛門までを大腸と呼び、盲腸・結腸・直腸に分けられる。大腸癌は大腸の粘膜に出来る悪性腫瘍をいい、結腸癌・直腸癌を大腸癌の総称として呼ぶことがある。日本では、食生活の欧米化に伴い大腸癌は増加傾向にあり、いずれは胃癌を追い抜くといわれている。
患者が直腸癌を患ったその理由は、やはり食生活にあった。

今回のケースにおける発症までの経緯
|直腸にできた癌の表面が排便でこすれる(排便時の出血)
|肥大化した癌が直腸を狭くし、便が正常に腸の中を通らなくなってしまう(便秘)
|癌によって便がつまり、消化を助ける腸内細菌のバランスが崩れてしまう(下痢)
|便秘と下痢を繰り返す
|直腸癌による出血が続き、貧血になる(立ちくらみ)
|下腹部の膨らみむ(強烈な腹痛)
↓直腸癌により入院。現在、抗癌剤による治療を受けている

大腸癌の主な諸症状は、出血と便通異常。方や痔は排便時にいきんだ時、直腸にできた痔そのものが膨張。そこに便があたることで、直腸癌と同じように出血する。直腸癌は痔と間違いやすいため、直腸癌のもっとも代表的な症状である排便時の出血を痔のせいだと勘違いしてしまう人が多いのだ。

直腸癌になる原因は、まだはっきりと判っていないが、野菜が嫌いといったバランスの悪い食生活を送っている人や、過度の飲酒を繰り返す人に多く発症すると言われている。

ネクストカルテ―――「本当は怖い関節痛」「本当は怖い頻尿」
水分を取って数分経たないうちに尿が出るっていうのはどうなんでしょうかね?