コワイガク(本当は怖い家庭の医学のウチ的略称)

・プレイバックto補足コワイガク

えー、前回放送分記載してなかったんで、今回の分とまとめてお送りします^^;

・10月26日放送
「本当は怖い食欲不振」―――CSD=猫ひっかき病
CSD=猫ひっかき病を引き起こす「バルトネラ・ヘンセラ菌」とは、猫の口や爪、そして血液に存在する細菌で、これが人間に感染すると、最悪の場合死に至るという。そのバルトネラ・ヘンセラ菌に感染した理由は、猫に寄生した蚤にあった。それは「ネコノミ」―――猫に取り付くと、吸血と同時に猫の体内にあるバルトネラ・ヘンセラ菌をも取り込んでいく。
そして、近くにいた患者やその母親に取り付き、バルトネラ・ヘンセラ菌を感染させたのだ。

今回のケースにおける発病までの経緯:
|ネコノミが患者や母親に取り付き、バルトネラ・ヘンセラ菌を感染
|バルトネラ・ヘンセラ菌がリンパ節に取り付く(食欲不振・倦怠感・発熱)
|リンパ節内の免疫細胞がバルトネラ・ヘンセラ菌と戦闘(風邪に似た症状)
|増殖したバルトネラ・ヘンセラ菌が血管を伝わり、結膜に感染(目の充血)
↓バルトネラ・ヘンセラ菌は脳へも侵入。血管に炎症、脳が正常な機能を失う(異常行動)

患者が猫ひっかき病にかかった原因は、3日3晩寝ずの看病にあった。疲労困憊のため免疫力が著しく低下し、健康なら抑えることのできるバルトネラ・ヘンセラ菌の増殖を許してしまったのだ。

専門家の調査によると、日本の飼い猫の約7%以上がこのバルトネラ・ヘンセラ菌に感染していることが判っている。そして毎年およそ2万人もの人々が「猫ひっかき病」を発症していると考えられている。バルトネラ・ヘンセラ菌は、猫の体内では悪さをしない共生菌。猫ひっかき病のポイントは猫自身にあるのではなく、人間の猫に対する接し方にある。大事なことは私たちの免疫力を正常に保つことにある。もし、体調が悪いならば、猫とのキスを避けたり、傷を受けたなら消毒をするなどの対処を取るべきである。


「本当は怖い発疹」―――アナフィラキシーショック
アナフィラキシーショックとは、劇症型アレルギー反応の事で、体中の抗体が暴走し、あらゆる場所が腫れ上がってしまう恐ろしい病で、呼吸困難や血圧低下で死を招くことさえあるという。
アナフィラキシーショックに陥った全ての原因は、元々軽い小麦アレルギーを持っていた患者の体質と行動にあった。短期間で毎日のように大量の饂飩(うどん)を食べるようになったため、小麦の摂取量が限度を越え小麦に対するアレルギー反応が過敏に示すようになった。
病院で小麦アレルギーと診断されて以来、小麦に関係するモノ全てを排除するようにしていたが、忘年会でつくねを食べた後、帰宅した患者は突如苦しみだし、みるみるうちに発疹が広がっていったのである。
何故、あれほど注意していたのに小麦アレルギーが出たのか?―――実はつくねの繋ぎには、小麦粉が使用されることが多々あるのだ。更に、年末の多忙ゆえに寝不足が続き疲労困憊の状態に。そして飲酒しての帰り道、歩くこと(運動刺激)でアレルギー反応が助長、アナフィラキシーショックを引き起こしたのだ。
3年前、食欲がないため病院に行ったところ、医者から「饂飩や素麺など、消化にいいものを摂取するように」と勧められた患者―――今思えば、この時が地獄への道の第一歩だったのかもしれない。

アナフィラキシーショックの原因は小麦だけではない。最近では、ハムスターに噛まれた人が、このアナフィラキシーショックにかかった例や、学校内では食物アレルギーを主因とする『いじめ』が頻発しているなど、各方面からアレルギー反応に関する例が報告されている。


・11月2日放送
「本当は怖いむせ返り」―――誤嚥(ごえん)性肺炎
口の中の細菌が肺に入ってしまい、肺炎を発症するという病、それが「誤嚥性肺炎」である。
今回のケースの場合、それは『肺炎球菌』という細菌だった。通常、肺炎球菌は呼吸と共に吸い込まれるが、唾液に含まれる酵素によって殺菌されるが、患者の場合、高齢のため唾液の酵素が少なく、殺菌しきれなかったのだ。

今回のケースにおける発病までの経緯:
|むせ返り
|吐き出す力が弱く、味噌汁(肺炎球菌が含んでしまっている)が気管の奥へ流れ込む
|肺炎球菌が増殖
|肺が炎症を起こし、血液に酸素を十分送り込めなくなる(力が入らない・倦怠感)
|脳を流れる血液の酸素が不足、脳細胞の活動が低下(返事をする気力がない・失禁)
|血液中の酸素が異常に減り、血液の色が黒ずむ(爪や唇が青黒く変色)
↓肺機能停止、呼吸不全により死亡

肺炎にも関わらず、高い熱や咳が出なかったのは、年をとって発熱などの体の反応が鈍くなっているという。事実、この病気にかかった高齢者の3人に一人は高熱や咳といった症状が出ていない。そのため、病気のサインを見落としてしまうことが多いのである。
現在、肺炎で死亡する人は、年間およそ10万人。うち96%が65歳以上の高齢者であり、その殆どが誤嚥性肺炎と言われている。


「本当は怖いかすり傷」―――破傷風
50年前までは、年間千人以上が死亡していた病気。その後、衛生環境の改善やワクチン接種により患者数は激減したが、今もなお毎年約百人が発症、その死亡率は20%にも及ぶという。
今回のケースでは、植木の手入れ中に負ったかすり傷がきっかけだった。
破傷風を引き起こす破傷風菌は、どんな土の中にも50%の確率で存在している細菌。屋外で怪我をすると傷口から入ってしまうことがよくあるのだ。たとえ破傷風菌が入っても、通常の免疫力があれば発病することはないという。しかし、患者は高齢なことに加え、環境の変化や家庭内のストレスなどによって免疫力が極端に低下、そのため白血球の力が弱く、破傷風菌を全て退治することが出来なかったのだ。そして高齢であることがさらなる災いを招いた。怪我で破損した血管がなかなか再生しなかったのである。

今回のケースにおける発病までの経緯:
|怪我で破損した血管がなかなか再生しなかったため、無酸素状態に
破傷風菌が異常繁殖
|毒素が顎や舌の神経を侵蝕(顎の疲れ・味が分からなくなる)
|毒素が肩・首・呼吸筋に入り込み、筋肉を硬直(肩凝り・首の張り・呼吸し辛い)
|毒素がアゴの筋肉を麻痺(異様な口の引き攣り)
↓毒素に侵蝕された神経が、嫁の悲鳴に過剰反応(全身痙攣)

小さなかすり傷からも発症する破傷風。その患者の7割が免疫力の低下した60歳以上の高齢者であるという。


ネクストカルテ―――「本当は怖い体重減少」「本当は怖い肩凝り」
肥満体型の人が気をつける病気特集です。